「なににでも見えるかたち」は
誰にとっての
なににでもなれるのではないか。
「こんなところ、秩序のある世界のように見えて
まだ言葉にできていないことを無理やり言いくるめているだけだ。」
しかしまた、抗えない何かは、自然としてそこにあることも事実である。
わたしはただ、そこにあるものを見つめる。
素材を通して、委ねたり、少しだけ抗ってみたりして、
かたちを探してみる。
それは、自然のなかにあるわたしを見つめることだ。
わたしは、ひとだ。
わたしは、自分で見ることはできない。
ひとは自然にある。
自然とは、かたちのないものだ。
そんな自然の導く先にあるかたちは、何でもないし、何でもある。
何にでも見えるかたちは、誰にとっての何にでもなれる。
かたちのないものをかたちにして、そこに対峙するあなたは何を思うのか。
そこにあなたはいる。
あなたは、わたしである。
二〇二四年 二月